炊飯過程でさし水をする「びっくり炊き」が玄米の炊飯特性および飯の性状に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。びっくり炊きでは,加熱前の浸漬の有無による影響が飯の水分含有率および硬さには認められなかった。玄米炊飯で常法とされてきた加熱前の長時間浸漬は,びっくり炊きでは省略できることが示された。さし水温度で比較すると,20℃,98℃に比べて,0℃のさし水は急激に炊飯液の温度を下げ,玄米外皮の破裂を促し,再沸騰直後の胚乳露出面積率を増大させた。その結果,胚乳への吸水,デンプンの糊化が促され,炊飯液への溶出固形物量が増加し,飯の軟らかさと粘り,白さが増した。また本研究で用いた露出した胚乳部分の面積の測定は,玄米飯の性質に関与する指標になり得ることも示された。