温泉卵(65,68,70℃加熱)における貯蔵期間に加えて加熱時間延長(20分)の影響を知るため,貯蔵期間の異なる(新鮮,1週間,2週間貯蔵)の鶏卵について温泉卵の硬さの変化を比較検討した。65℃加熱では,卵白は貯蔵期間の影響を受けないが,68℃,70℃加熱では貯蔵期間の影響を受け,硬さが低下した。卵黄は65℃,68℃,70℃加熱とも貯蔵期間の影響を受けやすく硬さが低下した。加熱時間延長(20分)の影響については,卵白は65℃,68℃加熱では影響を受けなかった。しかし,70℃加熱では時間の影響を受けた。卵黄は加熱時間延長によって65℃,68℃,70℃ともに有意に硬くなった。以上の結果より,貯蔵卵の温泉卵は数℃の違いで凝固状態が異なるとともに,貯蔵により軟らかく仕上がることが明らかとなった。