日本調理科学会誌
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ルテオリン配糖体の加水分解に及ぼす加熱処理の影響
毛利 哲長坂 歩美高橋 里奈菊地 風花
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2023 年 56 巻 3 号 p. 86-93

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抄録

 パプリカには機能性フラボノイドであるルテオリンが多く含まれているが,天然に存在するルテオリン-7-O-[2-(β-アピオシル)-6-マロニル-β-グルコシド](L-7-AMG)およびルテオリン-7-O-[2-(β-アピオシル)-β-グルコシド](L-7-AG)は体内吸収率が低い。加熱調理・加工条件でより吸収性の高いルテオリン-7-O-β-グルコシド(L-7-G)などへの低分子化が可能かどうかを検討した。L-7-GはpH 3およびpH 5で安定で加水分解せずアグリコン化には至らなかった。L-7-AGはpH 3で総ルテオリン量を維持したままL-7-Gに加水分解された。またL-7-AMGはpH 3で100℃以上の条件でL-7-AGおよびL-7-Gへの加水分解が連続的に起こる挙動を示した。pH 7では全ての配糖体で総ルテオリン量が減少した。以上のことからルテオリン配糖体の低分子化にはpH 3程度の酸性条件で100℃以上の加熱を行うことが望ましい。弱酸性以下の加熱であれば総ルテオリン量は安定に保たれるが,中性付近では消失した。

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