2023 年 56 巻 3 号 p. 94-104
本研究では海藻レトルト食品の製造工程において種々の要因が栄養成分(一般成分,脂肪酸,ミネラル)および抗酸化力(DPPHラジカル消去活性)に及ぼす影響を,直交表を用いた実験計画法による分散分析により解析した。実験計画では5項目(原材料,包装条件,調味液,加熱温度,加熱時間)を要因とした。その結果,原材料は水分,脂質,灰分,炭水化物,EPA,Na,K,DPPHラジカル消去活性に,調味液は水分,脂質,灰分,炭水化物,EPA,Naに,加熱温度は水分,脂質,タンパク質,EPA,Naに影響を及ぼした。以上より,海藻レトルト食品の製造工程において可食部の栄養成分および抗酸化力を保持するためには,原材料,調味液および加熱温度が重要な制御要因であることが明らかになった。