重力が基礎的な調理現象に及ぼす影響を調べるため,クリノスタットを用いた模擬的な微小重力(1/1,000 G)および過重力(5 G)環境下において,米への水の浸漬,パンの膨化およびヨーグルトの発酵に関する実験を行った。米は吸水後の水分,パンは焼成後の比容積,ヨーグルトはpH,糖度および酸度を測定した。その結果,うるち米およびもち米では重力の違いによる水分の差はみられなかったが,玄米では1/1,000 G条件下の水分が 5 Gと比較して有意に高い結果となった。パンの比容積は,重力間に違いはみられなかった。1/1,000 Gの条件下のヨーグルトは,1 Gや 5 Gと比較して時間経過に伴うpH低下が緩やかであった。糖度は8時間後の1/1,000 G試料は 1 Gや 5 Gと比較して有意に高かった。酸度は8および24時間後の1/1,000 G試料は 1 Gと 5 Gと比較し有意に低い値であった。これらの結果から,重力変化が特にヨーグルトの発酵に影響を及ぼす可能性が示唆された。