日本調理科学会誌
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全国の学生を対象とした家庭料理の調理法と調理機器・器具の使用実態調査
綾部 園子平尾 和子名倉 秀子升井 洋至大野 智子安田 智子柳沢 幸江福留 奈美中澤 弥子新澤 祥惠橘 ゆかり髙橋 啓子岡本 洋子高松 伸枝梅木 美樹
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2024 年 57 巻 2 号 p. 126-137

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抄録

 全国の大学・短大などの学生を対象に,調理器具や調理器具,家庭料理状況などについてアンケートを実施し,ウェブブラウザを用いて回答を収集した。調査は2022年9月から2023年2月に実施し,有効回答数は7,153件(有効回答率49.1%)だった。

 その結果,使用割合の高い調理器具は電子レンジ,炊飯器,フライパン,ピーラーであり,使用割合が低かったのは蒸籠,かつお節削り器,中華鍋であった。「おもに家で作る」料理は,卵焼き,ご飯,野菜の煮物,味噌汁が8割以上であった。一方,煮豆や赤飯は2割未満で,外食や調理済み食品を利用することが多かった。調味料・香辛料類では,めんつゆ,和風だしの使用率は80%を超えた。料理に関する最な情報源は,インターネットのレシピサイト,動画,学校での調理学実習であった。

 電子レンジやフライパンは種々の調理法に使用され,めんつゆや和風だしなどの調味料・香辛料も多用され,例えば青菜のごま和えのような伝統的な家庭料理は調理法の変化が明らかになった。これらの結果から,家庭料理の調理の簡便化あるいは時短化傾向が示唆された。

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