2025 年 58 巻 3 号 p. 144-150
管理栄養士養成課程の学生を対象とし,2か月間の包丁技術の反復練習を行い,不得意と認識している者の包丁技術の上達の経緯を把握し,包丁技術教育に繋げることを目的とした。
長さと太さを調整したきゅうりの輪切りの薄切りの練習を週1回実施した。また,包丁に電気生理計測装置を取り付け,包丁技術測定を計3回実施した。包丁がまな板についてから次にまな板まで着くまでの時間を包丁サイクル平均時間とし,振り上げ動作を振り上げ最大加速度,包丁を前にスライドする動作を前方方向最大加速度とした。
対象者は,包丁技術の自己評価により,得意群と不得意群に分け,反復練習で上達効果が見られたのは不得意群のみであり,1か月間で,枚数は有意に増加し,包丁サイクル平均時間は有意に減少し,上達が認められた。2か月間では,厚みと前方向最大加速度が有意に減少し,不得意群のみ反復練習の上達が認められた。