ガジュツ(Curcuma zedoaria)は,クルクミン類を含まない特徴的なウコン属植物である。我々はこれまでガジュツが糖質分解酵素のひとつであるマルターゼに対する阻害活性,および脂肪モデル細胞3T3-L1に対する脂質蓄積量の増加やPPARγおよびアディポネクチンのmRNA発現量の増加といった分化促進作用を有することを報告してきた。本研究では,ガジュツの機能性を付加した食品の開発を目的に,摂取頻度の高いパン類に着目して製パン工程がガジュツの機能性に及ぼす影響を評価した。その結果,製パン工程を経てもガジュツの機能性は保持されていた。しかし,ガジュツ添加パンは基準パンと比較して重量の増加および体積の減少がみられ,製パン性に課題が残された。今後,製パン性の改善やその他の食品への応用,煮る,焼く,蒸す,揚げるといった加熱操作や嗜好性への影響と,活性成分や作用メカニズムのさらなる詳細を解明したい。これにより,ガジュツの機能性を付加した食品の開発・食生活への活用が可能となる。