2026 年 59 巻 2 号 p. 130-141
本研究では,広島菜を用いて,賞味期間を長くすることが期待できる乳酸菌発酵減塩漬物(古漬け)の短期調製方法について検討した。まず,重石を使用し,放置温度を10℃とする従来法にて,市販糠床について調べた結果,酸味を呈する2種類を得た。この2種類を用いた場合,短期製法(重石なし・20℃)で試作した漬物は酸の生成が少ない傾向がみられ,乳酸菌の生菌数も少なかった。しかし,官能評価における総合的なおいしさの評価では,従来法と比較して有意な差が認められなかった。
次に,下漬け前に菜の湯浴による加熱処理を行い,本漬け開始時に食酢を少量添加し,乳酸菌源に市販発酵乳を,補助栄養源にコンソメを用いる方法を検討した。その結果,充分な乳酸菌の増殖(>2×108 CFU/mL)が認められ,酸味を呈する発酵漬物となった。試作品の菜中の食塩換算濃度は2.5%程度(L-乳酸濃度は0.4%前後)であり,試作品は比較的低塩の漬物とみなすことができた。