2026 年 59 巻 2 号 p. 142-150
包丁技術の向上に及ぼす指導方法の効果を検討するために,3種類の指導方法,添え手を指導するA法,包丁の動かし方を指導するB法,添え手と包丁の動かし方を指導するAB法を,短期大学部学生を対象に実施した。包丁技術の目標は,設定された厚さで均一に切ることとし,大根半月切りの4か所(上・下・刃元側・刃先側)の厚さを計測し,厚さの均一性,枚数と成功率を確認した。
厚さは,A法では4か所すべてが薄くなり,B法では上と刃先側,AB法では刃先側だけ薄くなった。厚さの均一性は,A法で上下差が小さくなり均一性が向上したが,B法,AB法では,均一性の向上はみられなかった。枚数と成功率は,A法では失敗枚数が増え成功率が下がり,B法では枚数が減少したが,AB法では合計枚数が増え,成功枚数も増える傾向がみられた。
以上の結果により,厚さと均一性の向上の点から指導初期にはA法が効果的であり,添え手の習得状況によって段階的にAB法での指導が必要であると考える。