調理科学
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緑豆澱粉の調理性に関する研究(第2報)
ゲルの物性について
李 鐘順
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1981 年 14 巻 2 号 p. 130-134

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抄録
緑豆,あずき,いんげん,コンスターチの澱粉についてゲルの物性を比較検討した結果,次のような知見を得た.
1,緑豆澱粉は他の豆澱粉に比べ,ゲルが安定で,保存時間による変化が少ない.
2.緑豆澱粉はtexturometer curveにおいて2つのpeakと幅の広いbendを示し,好ましいtextureを呈する.
3.コンスターチはbendは広いがhardnessが小さく,糊状に近い.
4.緑豆澱粉はあずき澱粉よりも好まれ,その濃度は無水物に換算して11%(実際の澱粉では12.3%)が適当である.
5.緑豆澱粉では添加物のうち酸の影響が顕著で糊状に近いゲルになるが,天然果汁添加は弾力のある好ましいゲルを形成する.
6.間接加熱ではhardnessが高く,もろいゲルをつくるので,直接加熱が適当と考えられる.
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© 一般社団法人日本調理科学会
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