調理科学
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緑豆澱粉の調理性に関する研究(第1報)
糊化特性について
李 鐘順寺元 芳子
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1981 年 14 巻 2 号 p. 123-129

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抄録
緑豆澱粉の糊化特性を知るためにアミロース含量や分子量分布の近似した,あずぎ,いんげんの澱粉,及び一般に利用度の高いコンスターチについて比較検討した結果,次のような知見を得た.
1.三つの豆澱粉のなかでは,緑豆澱粉とあずき澱粉が糊化状態がよく似ている.
2.いんげんと緑豆澱粉では粒度は,ほぼ似ているが,糊化状態は著しく異なる.
3.コンスターチは,粒度は最小であるが粘度はあずき,緑豆につぎいんげんよりは高い.
4.膨潤・溶解度は緑豆澱粉が最も高い.
5.砂糖の添加は粘度を高くするが加熱初期の膨潤は抑えられ75~80℃で急激に膨潤する.
6.クエン酸は,粘度は高くするが,澱粉粒の崩壊が顕著でブレークダウンが大ぎい.しかし,天然果汁や緩衝液では,その影響が比較的少ない.
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© 一般社団法人日本調理科学会
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