日本調理科学会誌
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品種の異なる大麦粉の食パンへの利用
竹内 枝穂津田 淑江
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2003 年 36 巻 1 号 p. 23-31

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抄録
1.品種による調理特性を検討したところ,ファリノグラム特性では,強力粉のみの場合と比べて,六条種の大麦粉を加えると安定性が増し,二条種の大麦粉を加えることにより安定性が低下した.また糊化特性では,温暖地で改良が行われた大麦粉よりも,寒冷地で改良が行われた大麦粉の方が高い最高粘度を示すことが明らかとなった.
2.小麦粉に5種類の大麦粉をそれぞれ置換させて食パンを焼き上げたところ,5種類ともに大麦粉を添加することによりパンの体積が低下し,硬くなり,黄色みを増すなどパンとしての品質が低下した
3.5種の大麦粉の中でミノり2は,体積の低下が最:も少なかった.
4.ミノリ240%配合の強力粉を以下の条件で製パンする事により基準パンの体積,色硬さ,風味に近づけることができた.
1)大麦粉量の5%のグルテン量を添加する.
2)水を通常の110%加える.
3)砂糖を通常の125%加える.
5.改善バンの官能検査をおこなった結果,普段口にしている食パンとあまり差がなく食べられるという結果となった.
6.改善パンを6枚切り1枚食べる事により,食物繊維総量が2.7g摂取する事ができ,食物繊維摂取量増加に効果があることが期待できた.
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