日本調理科学会誌
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フライ油の使用限界に関する研究(IV)
「衣揚げ」と「素揚げ」の比較
日本調理科学会近畿支部 揚げる・炒める分科会
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2003 年 36 巻 1 号 p. 32-38

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抄録

要約1.「衣揚げ」の場合は「素揚げ」にくらべて「風味点数3」に到る揚げ回数が若干多くなる傾向にあった.
2.「衣揚げ」の場合は「素揚げ」にくらべて揚げ油の着色度が低かった.また,揚げ油の「油臭さ」「粘度」に関しては「衣揚げ」のほうが評価が高く,衣をつけることにより,揚げ油の「色」「油臭さ」「粘度」に関与する成分の溶出が抑えられていると推測された.また,これらの要素は揚げ油の「風味点数」を判断する要素として,大きく関わっていると考えられた.
3.揚げ物の評価は,「素揚げ」では揚げ種の違いによって評価にばらつきがあったが,「衣揚げ」をすることにより,揚げ種間の違いはほとんどみられなかった.
4.揚げ油が風味点数3になった時点での「衣揚げ」の「おいしさ」の評価は一様に低く,おいしく食することのできる限界を越えていた.
5.風味点数3の揚げ油は,劣化度から判断して安全性に問題のない範囲であった.すなわち,「衣揚げ」をおこなった場合も,「素揚げ」の場合同様,揚げ油の「風味点数3」に達する時点を基準として用いることは,使用限界の判定に有効な方法といえる.

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