前報の調査結果から,水質汚濁負荷を軽減するために,改善の可能性があると考えられた調理操作として,「洗米方法」,「麺類のゆで方」,「食器の洗浄方法」をとりあげ,発生源の抑制の観点から詳細な検討を行った.
1)洗米方法に関しては,「とぎ洗い」と「混ぜ洗い」で,飯の食味検査において総合評価に有意差はなく,軽く「混ぜ洗い」をする方が排水の汚濁負荷量削減に効果的であることがわかった.また,無洗米についても普通の精白米に比べて食味が劣ることはなく,その利用は水質汚濁防止にかなり有効であるといえる.
2)生中華麺や生そばの打ち粉をしっかり落とすことにより,汚濁量を約20%削減できた.スパゲティのゆで水を標準量の75%に減らしてゆでると,食味は低下することなく,若干の汚濁量の減少がみられた.
3)食器洗浄における排水中のCOD,SSは,洗剤よりも食品の汚れに起因する割合が大きく,汚れの拭き取りは排水の汚濁量を80%以上削減させる効果があるといえる.一方,洗剤の過剰使用は使用水量を大幅に増大させた.