日本調理科学会誌
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調理および食器洗浄方法の工夫による台所排水の環境負荷低減効果
白杉(片岡) 直子小谷 スミ子中村 恵子粟津原 宏子
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2003 年 36 巻 2 号 p. 130-138

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抄録

前報の調査結果から,水質汚濁負荷を軽減するために,改善の可能性があると考えられた調理操作として,「洗米方法」,「麺類のゆで方」,「食器の洗浄方法」をとりあげ,発生源の抑制の観点から詳細な検討を行った.
1)洗米方法に関しては,「とぎ洗い」と「混ぜ洗い」で,飯の食味検査において総合評価に有意差はなく,軽く「混ぜ洗い」をする方が排水の汚濁負荷量削減に効果的であることがわかった.また,無洗米についても普通の精白米に比べて食味が劣ることはなく,その利用は水質汚濁防止にかなり有効であるといえる.
2)生中華麺や生そばの打ち粉をしっかり落とすことにより,汚濁量を約20%削減できた.スパゲティのゆで水を標準量の75%に減らしてゆでると,食味は低下することなく,若干の汚濁量の減少がみられた.
3)食器洗浄における排水中のCOD,SSは,洗剤よりも食品の汚れに起因する割合が大きく,汚れの拭き取りは排水の汚濁量を80%以上削減させる効果があるといえる.一方,洗剤の過剰使用は使用水量を大幅に増大させた.

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