日本調理科学会誌
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120℃で乾熱処理した卵白タンパク質とオボアルブミンの加熱ゲルの物性および構造特性
小川 宣子峯木 真知子中村 由里下山田 真渡邊 乾二
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2003 年 36 巻 3 号 p. 210-218

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抄録

噴霧乾燥の卵白たんぱく質と凍結乾燥のオボアルブミンをそれぞれ120℃で6時間の乾熱処理を行った.乾熱処理がそれぞれの試料の加熱ゲルに及ぼす影響について処理前と後の比較を物性及び構造から調べた.いずれも10%溶液に食塩を添加した場合と無添加の場合について80℃で15分加熱を行った.これらのゲルについてゲル強度,クリープ解析そして走査電子顕微鏡像を検討した.乾熱処理はゲル強度や弾力を増し,たんぱく質同士が結合して形成されている網目構造を密にするなど,ゲルの改善が見られた.乾熱処理した卵白に関しては食塩無添加の方がより強いゲルを形成し,これは他のサンプルの場合とは異なるものであった.

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