抄録
魚の鮮度保持に及ぼす脱水シートの効果をタラとタイについて,3種の鮮度判定法(K値,生菌数,揮発性塩基窒素)により評価した. また,脱水シートで包んだ場合の魚のドリップ量及び水分含量を塩化ビニリデンシート(対照)で包んだ場合と比較した. 水分含量が高く,ドリップ量が多いタラを脱水シートで包んだ場合に,K値及び揮発性塩基窒素による鮮度判定評価法で明確な差違が見られた. タラは水分含量が高く,タンパク質の性質からも身割れが起こりやすいため非常に鮮度低下しやすい魚であると言われているが,脱水シートを用いることで,多量に生成するドリップを吸収することができ,鮮度低下が抑制され,保存日数を延長できることが示された. 微生物学的鮮度を保持するためには,魚の表面に付着し,10℃ 以下で活発に増殖する低温性微生物群の発育を抑えることが今後の課題である.