日本調理科学会誌
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微粉砕低温圧搾亜麻仁粕の食品原料としての利用と亜麻仁リグナンの抗酸化性
山下 貴稔橋本 堂史金沢 和樹
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2007 年 40 巻 2 号 p. 74-81

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抄録
亜麻仁はヨーロッパやアジアで少なくとも8000年に渡って栽培されてきた。その用途は,主に塗料や樹脂など工業用途であるが,一部はシリアルや焼き菓子などにも用いられてきた。近年,亜麻仁の食品への利用が劇的に伸びているが,これは亜麻仁がn-3系脂肪酸であるα-リノレン酸や食物繊維,および亜麻仁リグナンを豊富に含んでいるからである。我々は,食品素材としての亜麻仁の加工適性を高める方法を開発した。分級機構付の衝撃式粉砕機を用いる事により,低温圧搾亜麻仁粕を微粉砕にすることが可能であった。微粉砕にした低温圧搾亜麻仁粕は酸化安定性が高かった。また,微粉砕にした低温圧搾亜麻仁粕はクッキーやパンなどへの利用に適していた。低温圧搾亜麻仁粕に含まれる亜麻仁リグナンは加熱処理に安定であった。亜麻仁に含まれるリグナン配糖体およびその誘導体は高い抗酸化効果を示した。
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