抄録
果実酒調製において,冷凍前処理が果実からリカーへのアスコルビン酸およびポリフェノールの溶出に及ぼす影響を調べた。アルコール濃度3 5 % のリカーにレモン, キウイフルーツを浸漬し- 2 0 ℃ で2 4 時間冷凍前処理後, 2 0 ℃ に4 日間放置した場合,アスコルビン酸やポリフェノールの冷凍前処理による成分溶出促進はみられなかった。リカー浸漬4日間では果実のアスコルビン酸の約70%が溶出し,液中に残存していた。砂糖を加えて冷凍前処理した果実酒においてアスコルビン酸やポリフェノールの溶出がやや抑えられた。1cm角のリンゴを用いてインピーダンスを測定した結果,冷凍前処理および35%アルコール浸漬においてインピーダンスの低下,Cole-Cole plotの消失がみられ,35%アルコールの場合,浸漬3時間以上でCole-Cole plot円弧は完全に消失した。このことはアルコールが果実の成分溶出に主に関与することを示唆するものである。