抄録
湿式・乾式の加熱調理法についてエネルギー消費量を比べる方法として,バッター生地が凝固するまでの時間から消費エネルギー量を計算するバッターテスト法を考案し試験した。
その結果,試料重量が増えるとそれにほぼ比例してエネルギー消費量が増え,加熱機器を変えて比較すると,電子レンジ1に対し,蒸器2.8~3.6,ガスオーブン4.7~6.1となり,この順にエネルギー消費量が増えることがわかった。
加熱法ごとのバッター凝固時間は,温度上昇速度と整合性があり,ジャガイモの軟化速度とも類似性がみられた。このテスト法は簡便性,汎用性において優れており,従来行われてきた湯沸しテストや実調理テストと比べても,より説得力のある方法であると思われた。