小豆渋汁を食品素材として利用するために, 我々は素材A ( 渋汁) と素材B ( 超音波10分間照射渋汁) および蒟蒻ゾルの添加が水羊羹の品質に与える影響について研究した。試料B-1(素材B添加製品)は,試料S-1(基本)や試料A-1(素材A添加製品)に比較して小豆色を帯び,官能評価では臭気が著しく減少し,総合的に好まれた。その上,試料A-1と試料B-1は試料S-1に比較してDPPHラジカル捕捉活性と総ポリフェノール量が有意に高かった。さらに,この試料B-1に蒟蒻ゾル2.4%添加することによりテクスチャーが硬くなり良好で,著しく離漿が少なく,クライオSEMの組織観察では,寒天の網目構造に蒟蒻ゾルが存在しており,試料B-1と相違が観察された。