カウンセリング研究
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原著
高校生における思考の未統合感と怒りの維持との関係
遠藤 寛子湯川 進太郎
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2012 年 44 巻 2 号 p. 92-100

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抄録

本研究では,怒りの維持に影響を及ぼす要因として,思考の未統合感,反復思考,回避行動に着目し,思考の未統合感が反復思考をもたらし怒りの維持に結びつく過程,反復思考が思考の未統合感を維持・強化し,それが怒りの維持につながる過程,さらには,思考の未統合感が回避行動を促し反復思考に至る過程について検討した。この際,思考の未統合感を「過去の出来事に対して目指すべき方向に解決されていない,受容できない,脅かされると感じること」と定義した。高校生324名を対象に,1週間以上前に生じた怒りの出来事を記述するよう求めた。その後,質問紙調査を行い,出来事直後および最近の思考の未統合感,最近の反復思考,出来事後の回避行動,最近の怒りの維持の程度について測定した。共分散構造分析の結果,思考の未統合感が,反復思考を増加し,怒りを維持させるという過程が明らかとなり,また,反復思考が出来事に対する思考の未統合感を強化し,ひいては怒りを維持させることも示された。その一方で,思考の未統合感は回避行動へは結びつかず,またその回避行動は,反復思考の増加をもたらさないことが明らかとなった。

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© 2012 日本カウンセリング学会
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