抄録
本研究の目的は,社会的スキルの中でも基本といわれている聴くスキルを測定する,信頼性・妥当性を備えた質問紙尺度を開発し,スキルの規定要因と社会的適応との関連を検討することであった。高校生を対象とした質問紙調査の結果,信頼性・妥当性を備えた聴くスキルの認知面と行動面を測定する2尺度が作成された。同様に高校生を対象に,聴くスキル/主張性尺度を用いて,親和動機と学校生活満足感との関連を,共分散構造分析を用いて検討した。その結果,親和動機の中でも親和傾向が社会的スキルを高めていた。また,主張性尺度は学級生活満足感尺度の承認と,聴くスキル尺度は被侵害とそれぞれ関連を有しており,各スキルが果たす適応に対する機能の差異を明らかにした。