抄録
公立中学校に勤務する非常勤型スクールカウンセラーと比べ,私立高校やフリースクール等に勤務する常勤型スクールカウンセラーは数が少なく,その活動もまだあまり検討されていない。そのため本研究では,サポート校の常勤型スクールカウンセラーが自傷行為のある高校生へ対応した2事例を紹介し,常勤型スクールカウンセラーの課題と有効性について検討した。その結果,緊急性の高い自傷行為への常勤型スクールカウンセラーの対応には,「即時性」という特徴が影響していると考察された。この「即時性」には,タイミングのよい介入を行えるというメリットがある一方で,限界設定が難しいという課題がある。そのため,常勤型スクールカウンセラーが学校のなかでこの「即時性」を有効に生かしていくためには,教職員との連携体制を,生徒を受け止める枠組みとして考え,整えていくことが必要であった。このような連携体制の構築によって,常勤型スクールカウンセラーは「即時性」を生かし,生徒により効果的な対応を行うことができると考えられた。