カウンセリング研究
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ケース報告
不登校の親面接における「迷い」の意義
藪下 遊
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キーワード: 不登校, 親面接, 迷い
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2015 年 48 巻 2 号 p. 97-104

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抄録
子どもの不登校という事態に直面し,親はさまざまな迷いや葛藤を抱え来談する。迷いや葛藤は心身の不調を招き,カウンセリングではこうした迷いや葛藤を解消しつつ親を支えることが求められる。しかしながら不登校児をもつ親が,ある程度の迷いや葛藤を抱えるのは状況を鑑みて自然なことといえる。本稿では,子どもの不登校に際して現れる親の「迷い」に焦点を当てた3つの事例を提示し,「迷い」という現象の意義について考察を行った。その結果,親が抱える「迷い」について,これを抱え続けることで子どもへの視点が広がり,親が子どもを抱える受け皿として機能することを示した。また「迷い」を抱えないことも親にとってひとつの過程であり,そこから無理に方向づけずに共に留まることの重要性も述べた。さらに親は何かしら問題解決に向けての工夫を知らず知らずのうちに行っており,セラピストが親の治癒力を信じつつ引き出す役割を担うことの重要性を指摘した。
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© 2015 日本カウンセリング学会
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