日本都市計画学会中部支部研究発表会論文集
Online ISSN : 2435-7316
干拓地における土地利用の長期的変容とその要因に関する研究
豊橋市神野新田を事例に
児玉 欣輝小野 悠
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2020 年 31 巻 p. 15-20

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抄録
干拓地とは遠浅の海辺において干潟を堤防で囲い水門で海水を排水し干上がらせることにより形成された土地を指し、低平地となる特性上、津波、高潮、液状化など様々な災害リスクを内包するが当時の状況に応じて様々に利用されてきた。本稿は1888年に愛知県豊橋市の三河湾を干拓開発して形成された神野新田町及び吉前町を研究対象地とし、干拓地における土地利用の長期的変容を都市計画、土地所有、コミュニティ、災害への脆弱性との関係性に着目して明らかにすることを目的としている。研究結果として都市計画、土地所有、コミュニティおよび災害に対する脆弱性が干拓地の土地利用に直接的・間接的に影響を与えたことを示した。既存のコミュニティを活かしたコミュニティ防災の構築や防災・減災を踏まえた都市計画、ソフト・ハードの両面を考慮した短・中・長期的な土地利用コントロールを行うことにより災害に対し備える必要があると考えられる。
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© 2020 公益社団法人 日本都市計画学会 中部支部
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