2021 年 32 巻 p. 7-8
モータリゼーションや人口減少等を背景に,持続可能な都市構造としてコンパクトシティが注目されて久しい.また,1960〜1970年代に整備された大量の施設が老朽化しており,早急に施設の削減や更新をすることが求められている.そこで本研究では,コンパクトシティに整合する公共施設削減の手法を明らかにすることを目的とする.具体的には,小学校を対象とし,将来にわたって異なる人口変動が起きる複数シナリオにおいて,学級数や通学距離等の条件下で統廃合を行う.最も管理費を削減できる施設配置を示した上で,施設の更新を行う際の留意点を明らかにする.結果,都市の拠点内に移住することを意図したシナリオが最も公共施設の管理費を削減できた.さらに,施設を更新する際に将来の需要不足を見据えて早期に廃止するという判断が,管理費用削減に繋がることも明らかになった.