抄録
移動困難者のモビリティ確保の一つの手段として、2人乗りの自転車である「タンデム自転車」がある。後ろに乗る人はハンドルを操作する必要がなく、一人で自転車に乗ることができない障がい者等も乗ることができる。本稿では移動困難者にとってのタンデム自転車の日常利用へのニーズや課題を整理し、タンデム自転車を使いやすくするための知見を得ることを目的とする。
実施したアンケート調査からは、同行援護での徒歩やバス移動の代替手段として、障がい者の行動範囲を広げる可能性や、日常利用へのニーズ、一般道路を走行する上での課題等が明らかになった。