2020 年 18 巻 p. 25-28
本研究で取り上げる奈良県天理市は、天理教教会本部が置かれていることから宗教都市として広く知られている。天理教の教勢拡大と共に都市形成がなされてきた天理市は、都市政策においても天理教と協働し個性ある都市づくりを展開してきた。また天理教信者ではない天理市民の暮らしは天理教とは交わることなく展開されている。しかし今後の持続可能な天理市を考える上では、天理教によって生まれた独自の文化を活かした新しい暮らしの在り方を考える必要がある。本研究では天理教信者の街中での消費行動を明らかにし、信者の行動に伴って生まれた宗教関連商店の文化的価値を見出す事を目的とする。つまり天理教によって生まれた独自の地域資源や潜在価値を多視点から捉え、今後の天理市の都市づくりへの示唆を得ることを目指す。