抄録
本研究では、南海トラフ地震による津波が想定される海南市・田辺市・串本町の中心市街地を対象として、商業店舗の立地と業種の変遷を定量的に明らかにした。その結果、直近10年間で既に中心市街地の総店舗数は8割ほどに減少し、ほぼすべての業種で減少傾向にあることが確認できた。また廃業・移転、新規立地ともに飲食系が最も多くみられた。
1980年から続く店舗の存続状況は、3自治体とも総店舗数の3〜4割を占めることがわかった。また、それらの立地変遷と業種を整理すると、「継続立地」「廃業・移転」とも買い回り品系が多い一方で、その他の業種には自治体差がみられた。以上を踏まえて、事前復興計画で取り組むべき政策について考察した。