抄録
本研究では南海トラフ地震による津波が想定される海南市・田辺市・串本町を対象として、商業店舗代表者の移転意向と意向に影響を与える要素を分析した。その結果、発災前の移転意向は積極的な店舗代表者が約15%、消極的な店舗代表者が約80%を占める結果となった。一方、被災後の移転意向は仮設店舗、本設店舗とも消極的な店舗代表者が約50%を占めるものの、積極的な店舗代表者が約20%に増加した。また、津波リスク認知が高い、防災対策を実施している店舗代表者ほど移転意向が高い傾向、立地場所に対して不満を持っている、事業承継意向がある店舗代表者ほど被災後の移転意向が高い傾向が確認できた。事前の立地計画や経営環境を踏まえた政策の必要性などを指摘した。