抄録
本稿では、東日本大震災で被災した二次医療圏である旧石巻医療圏と旧気仙沼医療圏を対象として、平成22年度から令和5年度間での医療施設の動向とその施設数や診療科目の実態を明らかにした。その結果、両方の医療圏で医療施設数は減少しており、特に旧気仙沼医療圏で、より減少していることが確認できた。廃止した医療施設では民間の診療所が多く、新規開設は旧石巻医療圏で一定数見られるものの、旧気仙沼医療圏では僅かしか確認できなかった。また、移転開設した医療施設の診療科目では旧石巻医療圏と旧気仙沼医療圏で共通していることが確認できた。これらを踏まえ、復興過程における医療施設の移転開設や被災地域における医療施設の立地のあり方を考察した。