2026 年 6 巻 p. 63-68
【目的】パーキンソン病(PD)患者における高頻度転倒の要因を明らかにし,臨床的意思決定の一助とすることを目的とした。
【方法】当院入院の自立歩行可能なPD患者98例を対象に,入院前1か月の2回以上の転倒有無で群分けし,基本的属性と患者背景,on時の運動機能を比較した。高頻度転倒の関連因子を多重ロジスティック回帰分析で検討し,受信者動作特性曲線からカットオフ値を算出した。
【結果】独立因子は罹病期間(オッズ比1.16,p < 0.01)とBerg balance scale(BBS,オッズ比0.92,p < 0.05)で,カットオフ値は15年(感度45.0%,特異度93.6%),53点(感度90.0%,特異度43.6%)であった。
【結論】罹病期間とBBSは高頻度転倒のスクリーニング指標として有用である。診断初期からBBSを主要評価とし,早期からバランス能力の維持や向上に向けた介入が重要である。