研究目的は,がん化学療法患者の貧血症状を評価する貧血アセスメントツール(記録用紙)を活用した看護ケアが,患者のセルフケアにどのように有用であるかを明らかにすることである.がん化学療法患者に看護ケアを提供する外来看護師を対象とし,対象者は患者の来院時に記録用紙を患者と一緒に確認し,貧血ケア指導ガイドを参考にしながら看護ケアを行った.看護ケア提供終了後に効果を問う質問紙調査を対象者に実施し,その内容を分析した.その結果,記録用紙を患者と一緒に確認することによって,8割以上の対象者は貧血症状を的確に,簡便に,早期に把握することができた.また,患者とコミュニケーションをとる中でより患者の理解を深め,患者の生活に適した看護ケアの提供が可能になったと評価した.以上からツールをもとに作成された記録用紙を活用した看護ケアは,がん化学療法に伴う貧血患者のセルフケア支援において有用であるといえる.