保育所職員が精神疾患をもつ親とその子どもへの関わりで抱く困難を明らかにすることを目的とし,6名の保育所職員(保育士,看護師,精神保健福祉士)に半構造的面接を実施し,質的帰納的に分析した.保育所職員が抱く困難として【親の疾患の特性によりコミュニケーションが取りづらい】,【親の疾患の特性により生じる行動化に恐怖を感じる】【親への支援体制が整えにくい】,【疾患や治療を踏まえた関わり方が分からない】【親の不適切な関わりによる子どもへの影響に心を痛める】,【他の保護者や他の子どもとのトラブルの回避や対応に困る】,【親への対応により子どもへの保育や保育所の体制が整えにくい】,【他機関との連携において課題がある】のカテゴリが抽出された.職員が精神疾患をもつ親とその子どもの特徴と支援について学ぶ機会の設定,他機関との連携の強化,職員へのメンタルヘルス支援が必要であると考えられた.