本稿は,栄養教諭等の配置の現状と課題を,千葉県を事例として明らかにすることを目的とした.栄養教諭は給食業務だけでなく,子どもの現代的健康課題に対応するという重責を担う.ところが栄養教諭制度創設の際,義務標準法は改善されず,それゆえ現在も栄養教諭と学校栄養職員が併存し,栄養教諭よりも学校栄養職員の配置数が上回る地域が存在する.千葉県もその一つである.このような制度のもと,栄養教諭免許の意義は薄れ,栄養教諭だけでなく学校栄養職員の負担も大きいのではないかと考えられる.そこで,千葉県の現職の栄養教諭等へ質問紙調査を実施し分析した.その結果,栄養教諭への移行を希望する者の意思は継続しており,栄養教諭免許の意義は薄れていないこと,職務への負担感や困りごとについては,栄養教諭・学校栄養職員(免許あり)・学校栄養職員(免許なし)の三群間で比較分析した結果,多くの項目において差は認められず一様に負担感を持つことが示された.複数校掛け持ちに対する負担感は栄養教諭に顕著であった.今後の配置政策への意向については,栄養教諭は,「栄養教諭のみを新規採用する」ことを志向する傾向にあり学校栄養職員とは考えが異なるとみられる.よって,栄養教諭免許の意義は薄れていないものの,現場の負担感は少なくなく,とりわけ栄養教諭の負担は大きいといえる.栄養教諭等の負担軽減のためには国の配置基準の引き上げが肝要である.