臨床リウマチ
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原著
関節リウマチ患者の満足度に影響する要因の分析
青木 昭子須田 昭子岳野 光洋石ケ坪 良明前田 泉
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2010 年 22 巻 1 号 p. 42-50

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抄録
目的:関節リウマチ(RA)患者の診療に対する満足度と影響する因子を検討する.
対象・方法:リウマチ友の会全国大会(2009年5月)の参加会員を対象に質問票調査を実施した.質問項目⑴患者特性⑵通院医療機関と主治医の専門⑶ RAの状態⑷医師の態度⑸患者の知識と態度⑹患者と医師の関係と満足度.⑷⑸⑹は5段階Likert尺度で回答とした.2群の比較にはStudentのt検定とPearsonのχ²検定を行い,Pearsonの相関分析を行った.重回帰分析はステップワイズ法を用いた.
結果:回収率は76.4%(382/500).60歳以上70.7%,女性90.8%.疼痛関節平均5.17個,腫脹関節平均3.12個.55.8%が診察に対して「非常に」「かなり満足」と回答した.重回帰分析の結果,患者満足度に影響する因子として「医師は患者の悩みや相談に十分応じている」.「視線を合わせて話をする」.「診察の終わりに“他に何かありませんか”と尋ねてくれる」.「医師の説明を十分に理解している」.「1回の診察時間は丁度よい長さである」の5項目が抽出された.
結論:「患者と視線を合わせて,悩みや相談に応じ,診察に終わりに問いかけてくれる医師」「患者が説明を理解しているかを確認してくれる医師」が満足度の高い医師であることが明らかとなった.医師はコミュニケーションスキルを磨く必要があると考えた.
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© 2010 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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