2010 年 22 巻 4 号 p. 381-388
目的:大阪府下における整形外科医の関節リウマチ(RA)診療の現状をアンケート調査した.
対象・方法:2003年7月と2008年11月の2回,大阪臨床整形外科医会会員を対象として,無記名方式のアンケート用紙を郵送した.またアンケート用紙は返信郵送により回収し,両年で重複する主要項目の集計結果を解析した.
結果:リウマチアンケート発送総数ならびに回収数は,2003年に比べ2008年は若干増加,両回とも回収率は3割を越えた.治療薬剤について,この5年間でリウマトレックス®(MTX)やアザルフィジンEN®(SASP)の処方が増加していた.また2008年において生物学的製剤を積極的に使用という回答も散見された.
結論:2回のアンケートを実施したこの5年間に,生物学的製剤が相次いで上市され,生物学的製剤を積極的に処方する医院も散見された.またDMARDsは2004年に策定された日本リウマチ財団厚労省研究班による「EBM に基づく治療ガイドライン」で,推奨Aと位置づけられた薬剤(ただしアラバを除く)に集約されてきたことを伺がわせた.