抄録
注射の上手,下手は,医師の病態診断や注射精度の高さを反映する.超音波検査では,注射の標的となる筋,筋膜,腱,腱鞘,関節包,滑液包,末梢神経などの軟部組織を画像として直視でき,針刺入,薬液注入の状態がリアルタイムに観察できるため,正確,確実な注射が容易に達成できる.したがって,注射直後の除痛効果から病態を把握できること,盲目的注射では困難だった小病変への注射が正確にできるようになったことから,外来診療レベルを一段階引き上げる強力な武器になってきた.超音波ガイド下注射は費用,人手がかからないため,整形外科医が身に付けておくべき手技の一つと考える.近年では,整形外科ばかりでなく,麻酔科(ペインクリニック),リウマチ科,総合診療科においても超音波ガイド下注射が急速に普及し始めている.