目的:エタネルセプトは週に50mg投与であるが25mgに減量した場合に臨床的な指標が変わらないか,また,エタネルセプトを導入する際に最初から週に25mg投与,または2週に25mg投与で開始して臨床的指標が改善するか否かを検討する.
対象・方法:エタネルセプトを50mgで投与している患者で臨床的に寛解状態または低疾患活動性にある患者,或いは種々の理由で減量が必要な患者計18名で週25mgに減量して(減量投与群)赤沈,CRP,DAS28ESR,DAS28CRPを3ケ月及び6ケ月後に測定し,効果が減弱するか否かについて検討した.
また,経済的な理由でエタネルセプトを50mg投与できない7名の患者で,最初から週25mgまたは,2週に25mgの少量投与し(少量投与群)赤沈,CRP,DAS28ESR,DAS28CRPを3ケ月及び6ケ月後に測定し,効果について検討した.
結果:減量投与群で臨床的指標の有意な悪化はなかった.
また,少量投与群ではCRP(2.88±2.46から0.32±0.42),DAS28ESR(4.37±1.52から3.16±1.38),DAS28CRP(3.97±1.23から2.32±0.82)が有意に改善した.
DAS28ESRを用いた寛解率は減量投与群で前値が66.6%で減量投与後が72.2%であった.少量投与群では前値が14.2%で少量投与後は50.0%と増加した.
結論:減量投与群,少量投与群いずれにおいてもエタネルセプトの有効性が示された.このことは,エタネルセプトの減量・少量投与が患者の状態によっては一つのオプションになることを示している.
抄録全体を表示