臨床リウマチ
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23 巻 , 3 号
臨床リウマチ
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Editor's Eye
誌説
総説
  • 龍 順之助
    2011 年 23 巻 3 号 p. 145-155
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
       関節リウマチ(RA)の治療は薬物療法が中心である.近年,MTXや生物学的製剤の登場により,RAの治療は大きく変革の時期を迎えている.現代はリウマチ治療にとって治療の歴史始まって以来の新しい有効な治療が出現し,最も画期的な変革の時期を迎えているといえる.現在までのRAの治療は疾患活動性の鎮静化を目的としていたが,現在は疾患の寛解を目的として治療が行われる時代となった.RAに対する外科的治療は将来的には必要のない時代になる可能性がある.しかし,近年の新しい治療が行われる以前に,長い経過で,関節の破壊が生じてしまっている多くの患者さんが存在するのも事実であり,近年の新しい治療法に反応しないnon-responderの方々が少なからず存在するのも事実である.関節が破壊され,機能障害が生じた患者さんには機能再建術が有用である.RAを治療するうえで,薬物療法を主体として,必要な場合には手術療法を行う総合的な治療が必要である.それ故に,リウマチ医は最低限の外科的知識が必須である.今回,内科医師にとっても不可欠なRAに対する外科的治療について記載した.
  • 酒井 良忠
    2011 年 23 巻 3 号 p. 156-161
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
       近年関節リウマチの治療は,生物学的製剤の登場により大きく進歩した.しかしながらこれらの薬剤は強力な免疫抑制作用を持ち,感染症の副作用に注意が必要とされる.このため,整形外科術後の感染や創傷治癒遅延が懸念される.日本リウマチ学会では,TNF阻害療法,トシリズマブ,アバタセプトについて使用ガイドラインを定めており,その中に周術期における使用時に,感染や創傷治癒遅延のリスクについて記載があり,適切な期間休薬を行うべきとしている.基礎的な研究や,各生物学的製剤の術後感染,創傷治癒遅延についての研究報告では,これら合併症の可能性について完全には否定できないものの,適切な休薬期間を設定すれば,安全に手術を行える報告が多数をしめている.
       また,自験例の調査でも,検討項目において,有意な差があったものはプレドニゾロン投与量のみであり,生物学的製剤における感染,治癒遅延例は1例のみであった.
       以上から,生物学的製剤は,術後の感染や創治癒遅延を必ずしも引き起こすものではなく,生物学的製剤の導入を行ってPSL投与量の減少,もしくは中止させることが,術後の感染や創治癒遅延を減少させると考えられる.
原著
  • 三橋 尚志, 万波 健二
    2011 年 23 巻 3 号 p. 162-167
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
    目的:MTX不応例に対してSASP追加併用投与を行いその有用性について検討した.
    対象・方法:対象は,RA患者47例で,性別は男性6例,女性41例,年齢は平均61.8歳,罹病期間は平均12年11カ月,併用開始時の平均DAS28CRPは3.10であった.対照としてSASP不応例にMTX追加併用投与を行った14例(平均DAS28CRP2.78)と,他剤不応例にMTXとSASPを同時併用投与した14例(平均DAS28CRP3.45)を用いた.
    結果:結果は,SASP追加併用群でmoderate response以上は57.4%(good response:38.3%,moderate response:19.1%)で,MTX追加併用群:78.6%,MTX・SASP同時併用群:85.7%に比べ有効性はやや劣っていた.一方,特筆すべき点として,SASP追加併用群の長期成績(平均観察期間22カ月)では,30.6%はremissionを維持していた.また,1年以上modified total Sharp Score(mTSS)の変動を観察し得た11例において,併用開始時と調査時のΔTSSを比較したところ併用開始時平均8.79,調査時平均4.43で有意な減少を認め,骨関節破壊抑制効果も示唆された.
    結論:これらの結果より,MTX不応RA患者に対するSASP追加併用療法は有用な選択肢と考えられた.
  • 中村 紳一郎, 徳川 誠治, 中瀬 雅司, 﨑長 靖生, 谷口 大吾
    2011 年 23 巻 3 号 p. 168-172
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
    目的:当院における関節リウマチ(RA)に対するミゾリビン(2009年新規投与例)の治療成績を検討した.
    対象・方法:対象症例は21例(男性10例,女性11例),平均年齢は70.3歳(41歳~86歳)であった.投与方法は150mg,1日1回連日投与17例,100mg,1日1回連日投与2例,メトトレキセート(MTX)との追加間歇投与(週300mg)2例であった.他の抗リウマチ薬(DMARDs)に併用処方した症例は9例,単独処方例は12例(これまでDMARDsの処方がなかった症例7例,他剤からの切り替え5例)であった.
    結果:DAS28による効果判定ではgood response2例,moderate response8例,no response11例であり,中等度以上改善率は47.6%であった.年齢別にみると70歳以上では中等度以上改善率は71%であったが,69歳以下では33%であった.24週後の投与継続率は52.4%であった.副作用は1例もなかった.
    結論:当院におけるミゾリビン新規投与例の21例の検討を行った.副作用はなく高齢者に有効例が多い傾向を認めた.
  • 佐藤 秀三, 宮田 昌之
    2011 年 23 巻 3 号 p. 173-179
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
    目的:エタネルセプトは週に50mg投与であるが25mgに減量した場合に臨床的な指標が変わらないか,また,エタネルセプトを導入する際に最初から週に25mg投与,または2週に25mg投与で開始して臨床的指標が改善するか否かを検討する.
    対象・方法:エタネルセプトを50mgで投与している患者で臨床的に寛解状態または低疾患活動性にある患者,或いは種々の理由で減量が必要な患者計18名で週25mgに減量して(減量投与群)赤沈,CRP,DAS28ESR,DAS28CRPを3ケ月及び6ケ月後に測定し,効果が減弱するか否かについて検討した.
       また,経済的な理由でエタネルセプトを50mg投与できない7名の患者で,最初から週25mgまたは,2週に25mgの少量投与し(少量投与群)赤沈,CRP,DAS28ESR,DAS28CRPを3ケ月及び6ケ月後に測定し,効果について検討した.
    結果:減量投与群で臨床的指標の有意な悪化はなかった.
       また,少量投与群ではCRP(2.88±2.46から0.32±0.42),DAS28ESR(4.37±1.52から3.16±1.38),DAS28CRP(3.97±1.23から2.32±0.82)が有意に改善した.
       DAS28ESRを用いた寛解率は減量投与群で前値が66.6%で減量投与後が72.2%であった.少量投与群では前値が14.2%で少量投与後は50.0%と増加した.
    結論:減量投与群,少量投与群いずれにおいてもエタネルセプトの有効性が示された.このことは,エタネルセプトの減量・少量投与が患者の状態によっては一つのオプションになることを示している.
  • 向井 正也, 近藤 真, 皆内 康一郎, 小泉 和輝
    2011 年 23 巻 3 号 p. 180-187
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
    目的:ミゾリビン(MZR)はループス腎炎に保険適応のある薬剤である.今回我々は,MZRの全身性エリテマトーデスに対する長期使用成績のステロイド減量効果を中心とした有効性と安全性ならびに効果予測因子を検討した.
    対象・方法:対象は1997年から2006年に当科を受診したSLEの197例中MZRが投与された44例で行った.効果判定はステロイドの減量状況,臨床的因子の改善,再燃の有無,副作用の発現状況などを考慮しA-Fに分類した.
    結果:有効以上は31例(70.5%)で,ステロイドの減量や臨床的因子の改善が認められた.ステロイドは,投与開始時17.8±11.8mg/日から評価時11.1±4.9mg/日まで有意に減量されていた.C3,C4,CH50,抗DNA抗体,SLEDAIは有意な変化は認められなかった.ただし,有効群(n=31)では有意にSLEDAIは改善した.
    結論:MZRは比較的軽症なSLE患者や,SLEの寛解導入療法後などの疾患活動性が安定した時期に,ステロイドの減量効果を期待して用いるべき薬剤であると考えられた.
  • 佐藤 雅経, 伊藤 淳, 村瀬 知男, 竹元 暁
    2011 年 23 巻 3 号 p. 188-193
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
    目的:人工膝関節全置換術における予防的抗菌薬投与の期間と術後の炎症反応,合併症との関連について調査した.また術前HbA1c値との関連についても同様の調査を行った.
    対象・方法:対象は平成16年4月から22年4月に当院で施行した人工膝関節全置換術のうち関節リウマチ(RA)および再置換術例を除外した135例166膝(男性8膝,女性158膝)とした.疾患の内訳は変形性膝関節症(OA)153膝,骨壊死症(ON)13膝であり平均年齢は74.0歳であった.調査項目は抗生剤投与期間,CRP値および白血球数(術前日,術後1,2,3週),糖尿病の有無とHbA1c値および術後合併症とした.
    結果:予防的抗菌薬として,セフェム系抗菌薬を術後約48時間まで約12時間間隔で点滴投与した群は45例49膝,セフェム系抗菌薬を同様に点滴投与した後,さらに約14日ミノサイクリン等の経口抗菌薬を投与した群は90例117膝だった.これら2群を統計学的に比較したところ,術後2週のCRP値が後者で有意に高かったほかには有意差はなかった.創部感染(SSI)の発生は前者で1例,後者で2例認めた.共に表層感染だったが,発生率に統計学的な有意差はなかった.細菌感染を伴う術後合併症には表層感染,肺炎,腸炎,尿路感染などがみられたが両群間の発生率に統計学的な有意差はなかった.腸炎は後者(内服あり群)にのみ3例発症し,1例は偽膜性腸炎だった.また,術前HbA1c値と術後炎症反応の推移や合併症の頻度との関連については,術後SSIおよび細菌感染症合併率に有意な差を認めなかったもののHbA1c6.4以上では,1週での白血球数およびCRP値,2週での白血球数が有意に高値であった.
    結論:人工膝関節置換術後の抗菌薬使用は術後48時間までの点滴投与のみで問題なく,また糖尿病患者の場合,炎症反応の推移と文献的考察から,抗菌薬の投与間隔や周術期の血糖管理が重要と考えられた.
  • 窪田 泰浩, 松井 宣夫, 菊池 可絵
    2011 年 23 巻 3 号 p. 194-200
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
       関節リウマチ患者3例(56歳,76歳,54歳,全例女性)にトシリズマブ使用前と寛解後に手のMRIを撮影し,それぞれRAMRIS(Rheumatoid Arthritis MRI Scoring System)によるスコアリングをおこなった.
       トシリズマブ使用前の平均DAS28は4.58,平均滑膜炎スコアは6.0,平均骨髄浮腫スコアは22.0,平均骨びらんスコアは29.3であった.トシリズマブを6~16か月使用した後の平均DAS28は2.06,平均滑膜炎スコアは2.7,平均骨髄浮腫スコアは14.0,平均骨びらんスコアは24.7であった.
       トシリズマブを使用し,3例ともMRIで滑膜炎と骨髄浮腫は改善したが,完全には消失しなかった.1例では臨床的寛解を達成してもMRIでは滑膜炎と骨髄浮腫が改善していなかったが,トシリズマブの使用を継続し,臨床的寛解に遅れて,滑膜炎・骨髄浮腫が改善した.
  • 平林 泰彦
    2011 年 23 巻 3 号 p. 201-206
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
       陳旧性肺結核,肺線維症などの高度肺病変を合併する活動性RA患者の治療は実臨床における課題の一つである.結核空洞と慢性気管支炎を有する63歳女性および肺線維症を有する82歳女性に対し,合併症および感染症対策を行いながらトシリズマブによる治療を行ったところ,1年半以上にわたりRAの寛解と共にQOLの向上が得られた.トシリズマブはこのようなハイリスク患者の治療の一つの選択肢になると思われた.
  • 尾崎 吉郎, 木畑 佳代子, 田中 晶大, 嶋元 佳子, 安室 秀樹, 横井 崇, 孫 瑛洙, 川上 勝之, 伊藤 量基, 西 憲一, 野村 ...
    2011 年 23 巻 3 号 p. 207-213
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
       膠原病関連血管炎では肺胞出血を伴うことがあり,強力な免疫抑制により治療されるが長期の機械的人工換気が必要となる例も多い.36歳女性,46歳女性,72歳女性の3症例のびまん性肺胞出血に対し,Airway pressure release ventilationモードでの人工換気を止血の補助療法とし,著効を得た.いずれも診断後直ちにAPRVで管理し,速やかに止血され平均第8.5日で抜管が可能であった.
誌上ワークショップ  外来における注射療法 ―達人たちによるコツ―
  • 皆川 洋至
    2011 年 23 巻 3 号 p. 214-218
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
       注射の上手,下手は,医師の病態診断や注射精度の高さを反映する.超音波検査では,注射の標的となる筋,筋膜,腱,腱鞘,関節包,滑液包,末梢神経などの軟部組織を画像として直視でき,針刺入,薬液注入の状態がリアルタイムに観察できるため,正確,確実な注射が容易に達成できる.したがって,注射直後の除痛効果から病態を把握できること,盲目的注射では困難だった小病変への注射が正確にできるようになったことから,外来診療レベルを一段階引き上げる強力な武器になってきた.超音波ガイド下注射は費用,人手がかからないため,整形外科医が身に付けておくべき手技の一つと考える.近年では,整形外科ばかりでなく,麻酔科(ペインクリニック),リウマチ科,総合診療科においても超音波ガイド下注射が急速に普及し始めている.
誌上ワークショップ 臨床医家に必要なリハビリテーションの実際
  • 渡部 一郎
    2011 年 23 巻 3 号 p. 219-221
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
       近年のリウマチ(RA)治療は劇的に進歩したが,治療効果や合併症が加わり,RAの障害像は複雑化し,RAのリハビリテーション治療もパラダイムシフトする時期にある.RAのリハビリテーションを行う理学療法士・作業療法士は,養成校の増加によりこの20年でそれぞれ10倍以上と十分な供給がされてきた.また,質的にも,4年制大学の比率が増加し,大学院大学の整備や,疾患単位での各医学会での関連セッションの開催や,認定療法士・専門療法士制度も進められつつある.リハビリテーションはRA治療の4本柱の一つとして患者の要望もきわめて高い.あとは,多くのRA患者の診療に携わる臨床医家が,日本RAのリハビリ研究会などの研究成果により,効果的なリハビリテーション医療を導入するのみである.
  • 高橋 康博
    2011 年 23 巻 3 号 p. 222-227
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
       関節リウマチの治療は生物学的製剤の登場で,関節炎のコントロールが容易になった.運動療法も以前より積極的に筋力強化,可動域改善に取り組みやすくなった.基本的には,上肢は可動域拡大を下肢は筋力増強を目標に行う.運動負荷は,関節腫脹を目安にすることが臨床的であり,そのためにはセラピストは常に関節腫脹をみる姿勢が必要である.運動の実際では,可動域訓練は最終域でのセラピストが感じる感覚を大切に関節面を引き離し可動域の拡大をはかる.筋力増強では,痛みも含め今発揮できる筋力に対し最大の抵抗運動を行う.足趾運動は協力に矯正運動を行い,日常生活では長座位がとれることを目標に,起き上がりで必要な腹筋運動も頸椎に負担をかけないように行う.セラピストもコントロールしやすくなったRAに対し,積極的に関わりをもってもらいたい.
  • 三浦 雅史, 川口 徹, 渡部 一郎
    2011 年 23 巻 3 号 p. 228-232
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
       関節リウマチ(以下,RA)のリハビリテーションを阻害する主症状としては「疼痛」が挙げられる.この疼痛はRAに伴う関節炎や関節破壊による関節変形や関節不安定性,そして一定期間を経て進行する変形性関節症が挙げられる.また,疼痛による不動すなわち廃用症候群が筋萎縮を引き起こし,結果的に日常生活動作(以下,ADL)のような低負荷の動作においても筋痛が発生する.その結果,リハビリテーションプログラムが滞ってしまうことも少なくない.
       疼痛を改善させるためのリハビリテーション技術としては物理療法がある.物理療法は,生体に物理的刺激(温熱,寒冷,レーザー,マッサージ等)を加え,疼痛を軽減させる方法である.また,RAの疼痛が関節に起因する場合や下肢のような荷重によって発生する場合には関節の保護,補強等の目的で装具療法も頻繁に用いられる.
       本稿では,特にRAの疼痛軽減を目的とした物理療法,装具療法について紹介する.
  • 林 正春
    2011 年 23 巻 3 号 p. 233-238
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
       関節リウマチの治療技術のひとつにスプリント療法があり,以前より確立されている.しかし,薬物療法の発展とともにその目的が変化しつつある.これまでは出来上がった変形に対してそれ以上変形が進行しないよう予防目的で作製したり,痛みや炎症が出現した関節に安静目的で作製する場合が多かったが,現在は,変形の進行を未然に防ぐ目的やスプリントを装着し,筋・関節の正しい運動機能を発揮させ直接ADLやQOLに生かすといった新しいスタイルのスプリント療法が加えられる.新しいスタイルのスプリント療法を確立するために,素材選びや形を吟味し新たなスプリントを生み出すにはかなりの労力を必要とするが,完成したスプリントが対象者の生活に必要不可欠(人生密着型スプリント)となれば,そのスプリントに対しての愛情が深まる.この愛情が込められるスプリントを如何に作製できるかが今後の関節リウマチの治療の中で作業療法が生き残っていく鍵となると思われる.スプリントは装着しないとその効果が得られない,よって,装着率を向上させるための取り組みとして,装着感の良さはもちろんのこと,スプリントが装具としてのやや重いハード感覚から,ファッションの一部のようなライト感覚へ移り行くことを目指し,研究開発していきたいと考える.
  • 清水 兼悦, 佐川 昭
    2011 年 23 巻 3 号 p. 239-244
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2015/12/16
    ジャーナル フリー
       ここ10数年,RAの治療やリハはパラダイムシフトと言え,早期からの適切な対応とともに,就業,育児,介護などのライフイベントを長期的に考慮した対応が求められ,OTも要素還元的な運動や装具のみならず,全体包括的な役割操作や環境調整,ナラティブの重要性も呈示されている.
       今回は,地域医療連携における日常生活指導の論点を探るべく,2010年6~7月にクリニックで生物学的製剤を使用していた患者を対象として,治療に「期待したこと,もたらされたこと」についてアンケート調査し,治療前後でDAS28-ESRの比較を行った.分析対象は,111名(53.4才±13.28,女性99名・男性12名),治療期間は820日±411.8,DAS28-ESRは治療前が5.2±1.18,治療後は3.2±1.15,EULAR改善基準では,moderate response以上が95名85%であった.
       調査の結果として,治療を「教えてくれた人」は,主治医,看護師や他の医療職,知人やテレビ・インターネットなどの順.「開始前の疼痛」は,手,足,膝の順.「開始前の困難」は,歩行,起座,家事,疲労,強張り,就労の順.「開始前の期待」は,疼痛,進行,ADLの順.「開始前の不安」は,副作用,費用,効果の順であった.
       上記の結果から,「疼痛関節」の第二位は足関節であることや,治療にて軽快し活動性が高まるにつれ,疼痛が増大する事例も見られたので,DAS44を使用するなど,足部には注意を要すると考えた.また,「治療方針」「期待」「不安」などに関して,その人らしさが求められ,ナラティブを通して患者の個人因子や相応しい生活様式,活動度や参加状況,環境との関係などを把握し,多職種の連携による情報管理の必要性が示された.
       以下,札幌山の上病院における予防的介入などの実践を述べる.
臨床リウマチ医のための基礎講座
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