臨床リウマチ
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総説
リウマチ性疾患と腎病変
野畑 宏信今井 裕一
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2012 年 24 巻 1 号 p. 5-11

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抄録
   リウマチ性疾患と腎疾患は密接に関連しており,腎疾患の理解なしにはリウマチ性疾患を診療することはできない.特に腎病変を来しやすい,関節リウマチ,シェーグレン症候群,全身性エリテマトーデス,血管炎症候群,強皮症を取り上げて概説する.関節リウマチは疾患自体による腎病変は少ないが,罹病期間が長いと二次性アミロイドーシスを来しやすく,また使用される薬剤による腎障害も出現しやすい.シェーグレン症候群による腎病変は,糸球体障害よりも間質障害の頻度が高い.全身性エリテマトーデスで最も予後に影響するのは腎病変であり,治療に難渋することがあり,末期腎不全に至ることもまれではない.血管炎症候群は急速進行性糸球体腎炎のタイプで発症することが多く,他の臓器障害から遅れて腎病変が出現することもあり注意が必要である.強皮症による腎障害の頻度は多くはないが,強皮症腎クリーゼはいったん発症すると重篤な転帰をとりやすい.常に腎病変を念頭においた診療が重要である.
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© 2012 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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