抄録
アメリカリウマチ学会とヨーロッパリウマチ学会が合同で,2010年に公表した新しい関節リウマチ(RA)の分類基準の整形外科クリニックにおける妥当性を検討した.2011年1月初めから2011年10月末までの10カ月間に,患者自身がRAを懸念して当院を初診した372名を対象に,2010新分類基準と1987旧分類基準を用いて診察した.結果:初診時でRAと診断した例は,179例(RF陽性:154例,86%,CRP陽性:149例,83%)であり,RA以外の関節炎または関節症状を有する患者と診断した例は193例であった.臨床的にRA以外と診断された193例の中で,2010分類基準を満たした症例は12例,1987分類で基準を満たした症例は3例であった.1987分類でRA基準を満たした症例は,高齢の多発性変形性関節症,診断未確定関節炎,薬剤誘発性関節炎であった.しかし,2010分類ではこの他にもMCTD,シェーグレン症候群もRA基準を満たしていた.結論:2010分類は,RAの早期発見に寄与するものの鑑別診断をしっかりしないとRA以外の疾患も取り込んでしまう可能性がある.特に,整形外科外来では全身性変形性関節症の来院頻度が多く鑑別が必要である.