臨床リウマチ
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原著
関節リウマチに対するアバタセプトの実地診療における効果と安全性~福岡RA生物学的製剤治療研究会における多施設共同研究
都留 智巳原田 洋西坂 浩明大塚 毅前川 正幸福田 孝昭長嶺 隆二吉澤 滋吉澤 誠司宮原 寿明中島 衡島内 卓和田 研末松 栄一前山 彰石西 貴堀内 孝彦中島 康晴生野 英祐木本 泰孝近藤 正一
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2013 年 25 巻 2 号 p. 99-106

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抄録
   福岡RA生物学的製剤治療研究会参加施設において2010年9月から2012年1月の期間に登録された111名を対象に,アバタセプト(ABT)投与24週の実臨床における有効性・安全性について検討した.全体のDAS28ESRは投与前4.96であったが24週後3.73であった.SDAIでは投与前23.51であったが24週後13.43であった.ABT投与前の生物学的製剤投与の有無では,Switch群では ABT投与前は平均5.03であり,24週目では4.31であった.Naïve群では4.90から3.12と改善した.活動性評価ではSwitch群の寛解は3.5%であったのに対し,Naïve群では31.5%と有意に寛解率が高かった.MTX併用の有無では併用有り群では投与前DAS28ESRは4.92であり,24週では3.56,MTX併用無し群では投与前5.02から24週で3.96と何れも改善を認めた.副作用は14例22件を認め,8例でABT投与が中止された.継続率は24週で86.5%であり,中止例は15例であった.中止理由は副作用8例,効果不十分7例であり1例は本人希望(重複)であった.以上から実臨床においてABTは関節リウマチ治療に有効な薬剤と考えられた.
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© 2013 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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