臨床リウマチ
Online ISSN : 2189-0595
Print ISSN : 0914-8760
ISSN-L : 0914-8760
誌上ワークショップ 骨粗鬆症治療におけるビタミンDの役割
骨粗鬆症治療における活性型ビタミンD 製剤の位置づけ ~新規活性型ビタミンD 誘導体に対する期待~
萩野 浩
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 25 巻 3 号 p. 209-212

詳細
抄録
   エルデカルシトールはこれまでの活性型ビタミンD₃製剤のカルシウム代謝を改善する作用を保持しつつ,骨に対する作用を強めるために,わが国で開発された新たな誘導体である.第Ⅲ相臨床試験結果ではアルファカルシドールと比較して,有意な骨密度増加効果を有し,椎体骨折および非椎体骨折の有意な抑制効果が認められている.またエルデカルシトールの腰椎骨密度増加効果や椎体骨折抑制効果は患者の背景因子によらず認められ,広く骨粗鬆症患者の治療に有益であると考えられている.さらに,エルデカルシトールにはQOLの有意な改善効果が認められた.これらの臨床試験結果から新規活性型ビタミンD₃製剤はこれまでの活性型ビタミンD₃製剤に比較して骨折抑制効果が高く,骨粗鬆症治療での幅広い応用が期待されている.
著者関連情報
© 2013 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top