臨床リウマチ
Online ISSN : 2189-0595
Print ISSN : 0914-8760
ISSN-L : 0914-8760
誌上ワークショップ 寛解導入・QOL向上を目指したRA実地診療の実際―実地医として考えるT2Tとは?―
生物学的製剤の治療オプションとしての経口DMARDの3剤併用療法の欧米での位置づけと本邦における可能性
松野 博明
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 25 巻 3 号 p. 213-219

詳細
抄録
   関節リウマチ(RA)の治療は2000年代に生物学的製剤が導入されてから診断・治療基準の見直しも行われ寛解をゴールとした治療が望めるようになった.しかし,画期的とも思われた生物学的製剤も高額な治療費や重篤な副作用のリスクなどの課題を残している.欧米のRA治療方針では生物学的製剤の治療へ移行前に経口疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)の併用治療を実施するよう推奨・指導されている.特にDMARDの3剤併用治療については複数のエビデンスの構築により,生物学的製剤による治療の有効性と遜色がないとの報告もあり治療のオプションとして十分に成り立つとの結論も得られている.そこで著者らは本邦で使用可能な3剤のDMARDを用いてDMARDの併用療法が治療のオプションとなり得るかを検証する目的で日本リウマチ実施医会を中心としたJaSTAR studyを実施した.本稿では欧米におけるDMARDの3剤併用治療での位置づけを解説するとともにJaSTAR Studyの中間成績について解説する.
著者関連情報
© 2013 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top