抄録
生物学的製剤使用中のB型肝炎ウイルス(HBV)感染既往関節リウマチ(RA)患者からのHBV再活性化2症例を報告する.症例1は70歳男性.輸血歴あるも,当初HBs抗原は陰性.メトトレキサート(MTX)及びエタネルセプト(ETN)で治療中にde novoB型肝炎を発症したが,ラミブジンで軽快.症例2は51歳女性.HBs抗体陽性.MTXとETN で加療中に,HBV-DNAが検出感度未満ながらシグナル陽性化.肝炎は発症せず,半年後自然に再陰性化.当院でのカルテ調査からはその再活性化率は6.3/1000人・年と計算された.