2014 年 26 巻 2 号 p. 88-93
関節リウマチ(RA)患者の大関節を詳細に評価可能なARASHIスコアリングシステムを用い,TNF阻害療法を行った患者の股関節と膝関節のX線画像の変化を経時的に評価した.RA51症例の182関節を検討すると,ARASHI statusスコアが3点以上の股関節・膝関節は,TNF阻害療法を行っていたにもかかわらず,ARASHI changeスコアが2年までに2点以上進行していた.股関節・膝関節のARASHI statusスコアはその後の関節破壊の進行を予測し得るスコアであり,関節破壊進行を阻止するためにはstatusスコアが低い段階でTNF阻害療法を開始する必要があると考えられた.