臨床リウマチ
Online ISSN : 2189-0595
Print ISSN : 0914-8760
ISSN-L : 0914-8760
原著
75歳以上の高齢関節リウマチ患者におけるエタネルセプトの有効性と安全性
Satoru KodamaSatoshi ItoDaisuke KobayashiIchiei NaritaAkira MurasawaYuichi MakinoKiyoshi Nakazono
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 29 巻 4 号 p. 238-250

詳細
抄録

目的:近年関節リウマチ(RA)患者の高齢化に伴い高齢RA患者に対しても生物学的製剤を使用する機会が増えている.エタネルセプト(ETN)は血中半減期の短さから,高齢関節リウマチ(RA)患者にも比較的安全に使用可能であると考えられ,既に多数例に使用されていると思われるが,その使用成績の報告は少ない.我々は75歳以上でETNを開始した高齢RA患者48名におけるETNの有効性と安全性を検討した.
対象・方法:2008年5月から2014年3月に当院でETNを導入した336人のRA患者のうち,導入時の年齢が75歳以上であった48例(男性18例,女性30例)を対象に,24か月を最終評価時として,患者背景,疾患活動性の推移,有害事象をretrospectiveに解析した.
結果:患者の平均年齢は79.0±2.9歳で,ETN使用により関節所見,血清学的所見,疾患活動性スコアはいずれも有意に改善を認め,使用前に比べ最終評価時ではプレドニゾロン(PSL)の平均使用量も有意に少なかった.有害事象は11例に認め,7例でETNの使用が中止され,そのうち4例は感染症であった.結核(85歳),ニューモシスチス肺炎(80歳)による死亡を各1例ずつ認めた.
結論:75歳以上の高齢RA患者において,ETNは重篤な感染症については注意が必要であるが,有効な治療手段であると考えられた.

著者関連情報
© 2017 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top