2018 年 30 巻 2 号 p. 79-88
世界初の抗receptor activator of nuclear factor-κB ligand.(RANKL)抗体であるデノスマブの開発には,日本人研究者の研究が大きく寄与してきた.1つめは骨芽細胞が破骨細胞の運命を握るという仮説の立証に貢献した「骨芽細胞と骨髄マクロファージの共存培養系」の構築,2つめは破骨細胞形成抑制因子(OCIF/OPG)の発見,3つめはOCIFの標的蛋白質である破骨細胞分化因子(RANKL)の同定である.このRANKLの発見に基づいて創薬が進められ,米国Amgen社によりデノスマブが創出された.デノスマブは,2010年に欧米で骨粗鬆症治療薬として承認され,2017年には,世界に先駆けて本邦で「関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制」の適応が追加された.その実現にも日本のリウマチ臨床医の多大な努力が寄与してきた.本稿では,RANKLが発見され,デノスマブが開発されるまでの基礎から臨床に至る経緯を解説する.