臨床リウマチ
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原著
メトトレキサート未治療早期関節リウマチ患者に対する予後不良因子の検討とセルトリズマブペゴルの有効性の検討:無作為化,プラセボ対照第三相,C-OPERA試験のサブグループ解析
田中 良哉渥美 達也山本 一彦竹内 勤山中 寿石黒 直樹江口 勝美渡辺 彰折笠 秀樹小路 利治P. Ralston宮坂 信之小池 隆夫
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2018 年 30 巻 2 号 p. 89-97

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抄録

背景:C-OPERA試験において,予後不良因子を有する早期関節リウマチ患者におけるセルトリズマブペゴル(CZP)とメトトレキサート(MTX)併用の有効性と安全性が検証されている.目的:本解析の目的は,メトトレキサート(MTX)未投与の早期関節リウマチ患者において, MTXのみでは臨床及び骨破壊に対して効果不十分となる要因を見出し,そのような要因を有する患者におけるセルトリズマブペゴル(CZP)とMTXの併用の有効性を評価することである.方法:C-OPERA試験では,MTX未投与で予後不良因子を有する早期関節リウマチ患者が無作為にプラセボ(PBO)+MTXとCZP+MTXのいずれかに割り付けられた.CZPは0,2,4週に400 mg,その後200mgを2週毎に投与した.DAS28-ESRとmTSSの変化量を52週に評価した.DAS28-ESR<2.6を寛解とし,mTSSの年間変化量>3.0をRRP(rapid radiographic progression)とした.結果:治療開始前のDAS28-ESR,SDAI,HAQ-DI,CRP値が高い患者では,寛解率は低かった.DAS28-ESR,SDAI,HAQ-DI,CRP,mTSS,MMP-3,RF,TNFα,IL-6値が高い患者では,骨破壊進行が速かった.これらの患者においても,CZP+MTX群ではPBO+MTX群に比べて良好な寛解率および骨破壊抑制が認められた.結論:PBO+MTX群において治療開始時のDAS28-ESR,SDAI, HAQ-DI,CRP,mTSS,MMP-3,RF,TNFα,IL-6高値は52週後における低い寛解率及び高い骨破壊進行と関連していた.CZP+MTX群では,それらの要因を有する患者においても,良好な結果が得られた.

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© 2018 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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